春心/西出酒造(石川県小松市下粟津)*価格は全て税込みです

      

運命って、あるのかも知れない。なーんてね(笑)

今年5月上旬にある友人のお店で出してくれたお酒がありました。「小松人」という見たこともないラベル。飲んだ瞬間にその個性的な魅力に「なんだこれ!」と感激。すると同席していた都美人の山内杜氏が「それ造ってる人、僕友達なんで今度紹介しますよ」それは楽しみなんて言いながらとりあえず写真を撮っておきました。そしてそんなことはすっかり忘れていた5月下旬のある日、ある百貨店のお酒売場でたまたま目についたお酒。銘柄は「春心」というこれまた見たことのないラベル。ところが試飲した瞬間に「旨いっ!あれ?でもこの味知ってる気がする…」急いで写真を探すも春心ではなく小松人。ごめん違ったみたいとその写真を見せたら「えっ、これ僕の造った酒です」と驚きあったのが石川県小松市で酒を造っている西出裕恒(にしでひろひさ)杜氏、その人だったのでした。

創業は大正2年という歴史は浅い蔵ですが紆余曲折がありました。平成8年には別資本への経営譲渡がありましたが平成26年には裕恒くんが買戻して代表を務めています。最盛期には500石ほどを造っていましたが現在は小さな仕込みだけで約50石を家族だけで醸しています。周囲には田んぼが広がり、白山の伏流水(軟水)と古い蔵を生かし「与えられた環境でできること」に注力する姿勢、信念を持って地元の米と向き合いその結果生まれてくる生酛と山廃の面白さ(前述の山内杜氏とは常きげんの鹿野酒造蔵人時代の同期であり共にあの農口杜氏の愛弟子なのです)、考え方がとにかくユニークかつ筋が一本通っています。たぶん派手な酒は造りません。地味で万人受けはしないけど、でもこのお酒が心に響く方はどこかにきっといる。そんな飲み手にこの木槽で搾った柔らかな味の向こうにある裕恒くんの想いを伝えるためこれから頑張って参ります。

 

               <平成29年7月11日深夜、蔵から戻って熱い気持ち冷めやらぬまま記す>

 

 

 

春心 純米酒(生酛造り) 28BY *29.08.23発売

使用米:麹/石川県産米 五百万石 掛/石川県産有機栽培 笑みの絆

精米:麹65%/掛70%
日本酒度:+9 酸度:2.3 *参考値です

酒母:生酛造り 火入れ:あり アルコール:17度

 

価格:1,728円(720ml) 3,456円(1.8L)

 

芳しい立ち香がほんのり。穏やかな口当たりでありながら、力強い酸に支えられた米の旨みが口の中で膨らみます。自然乳酸、そして地元で大切に育てられた有機栽培米が醸しだす滋味に加え少しミネラリーなニュアンスもあり、まだまだ若い酒質ながら複雑な旨味を楽しむことができるお酒です。データ上は辛口になりますがむしろしっかりした米の甘さも感じられる「旨口」と思ってください。冷やさずに、できれば常温からお燗でしみじみ飲んでいただきたいお酒です。

 

 

 

春心 本醸造(山廃造り) 27BY *29.08.23発売

使用米:麹/石川県産米 五百万石 掛/一般米

精米:65%

日本酒度:+12 酸度:2.2 *参考値です

酒母:山廃造り 火入れ:あり アルコール:15度

 

価格:1,134円(720ml) 2,268円(1.8L)

 

一年の熟成による軽い熟成香、柔らかな口当たり、そして深みのある味わいが特徴です。度数は低めなのであくまでも穏やかでありながら、山廃ならではの自然乳酸が導き出す複雑な滋味が楽しめます。いい意味で「おっさんくさい」味わいは盃が止まりません(笑)こちらもデータ上はかなりの辛口ですがバランスのいいまろみが米の甘みもしっかり感じさせる「旨口」に仕上がっています。冷やさずに、できれば常温からお燗でしみじみ飲んでいただきたいお酒です。